2008年6月30日月曜日

なぜ中級タブの真ん中は無理攻めなのか

ちょっと前なのですが、Mさんとの対局後の感想戦のとき。
Mさんは元24の上級タブの住人で、少し将棋から離れている期間があって、最近また24で指すようになったそうです。久しぶりに指したら棋力が下がっていて、いっきに8級まで落ちてYTと対戦する機会があったらしいです。

そのときの対局はYT(私)の無理攻めが切らされて惨敗だったのですが、このような内容のことを言われました

Mさん > いやー、疲れました。
YoursTruly > 少し無理攻めでしたね
Mさん > 7-8級は攻め一辺倒の人が多いんですよね
Mさん > その上のクラスになると攻守のバランスが取れていく感じなんですが。

(会話はYTのうろおぼえ※です)

そのときはへぇーという感じだったのですが、最近はYTも「そうなのかなー」と思います。
というか結構相手に無理攻めされますし、YT自身も受けると負けると思ったら無理に攻めます

で、なんで無理攻めするのかというと、実力がないと無理かどうかの判別が難しいというのもありますが、ぶっちゃけ少し無理攻め気味ぐらいのほうが勝率がいいからだと思います。


もう少し詳しく考えてみます。

ここで、簡単のために、下手な人と上手い人という単語を用います。
ここで言う下手な人とは無理攻めをする人(24で7級ぐらいまで?)、上手い人とは無理攻めをしない人(それ以上強い人)を想定しています。

無理攻めをした場合を考えます。
無理攻めはちゃんと受けられると損です。しかし、受け側が間違うと攻め潰せます。
また、攻め側は失敗すると分かったときに方向転換が可能ですが、受け側が間違うとそのまま攻められて即負けます。
そして、無理攻めに対する受けの上手さは実力に大きく依存します。つまり、上手い人同士の対局では無理攻めは成功しにくいですが、下手な人同士では意外と攻めきれるときが多くあります。

このことを踏まえて、なぜ下手な人が無理攻め棋風になるのかを単純な利得モデルで考えてみます。

このモデルは次のようなものです。
利得
無理攻めが成功した場合の利得:+100
失敗した場合の利得:-20
無理攻めの成功確率
上手い人同士の対局:10%
下手な人同士の対局:30%

そうすると、

上手い人同士の対局で無理攻めした場合の利得期待値:100*0.1+(-20)*0.9 = -8 (損!)
下手な人同士の対局で無理攻めした場合の利得期待値:100*0.3+(-20)*0.7 = +16 (得!)

というわけで下手な人同士の対局では無理攻めしたほうが得という結論になります。

もちろん、上のモデルは将棋を簡単にとらえすぎていますし、実際は色々複雑なものがあると思います。
しかし、結局のところ、無理攻め気味な棋風はそれで結構勝てるからだと思います。多少無理そうでも(失敗する確率のほうが高くても)攻撃が成功したときのメリットが大きいので、攻めたほうが得なんですよねー。



YT(私)は将棋倶楽部24で8級住人、しかもあんまり対局回数が多くないので、この文章は事実誤認など色々ツッコミどころがあるかもしれません。「おかしいだろ(笑)」とか思ったらコメントとかいただけると助かります。



※1月ぐらい前の話なので大分違ってると思います。Mさんからはその後も面白い話を聞かせてもらったのですが、それは今回のテーマとは全然関係ないので省きます。

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